グライダーとは

グライダーは、エンジンなしで飛び続けるために、抵抗を小さく、翼を長くした航空機です。

自転車に乗って坂道を下っていくところを思い浮かべてください。ペダルを踏まなくても自転車は自然に走ります。グライダーも同じように、動力がなくても、空の坂道を「グライド(=滑る)」しながら飛ぶことができるのです。

グライダーにはエンジンがないので(エンジンのあるモーターグライダーもありますが)、離陸するためには、「曳航機」と呼ばれる飛行機が必要です。曳航機とロープでつなぎ、グライダーは引張られながら離陸します。上空でロープを切り離した後は、自然の力を借りて飛んでいくのです。

グライダーは「上昇気流」という自然の力を利用して飛んでいます。トンビが羽ばたかずに旋回しながら空高く舞っているのを見たことはありませんか? グライダーも同じ原理で飛んでいます。自然は、トンビが利用するような上昇気流から、ジャンボジェット機をも翻弄する巨大な乱気流まで、人間の想像を絶する大気の流れを生み出しています。グライダーは、そんな地球的規模の自然を相手にするスポーツです。ここでは、代表的な4つの上昇気流をご紹介しましょう。

熱上昇気流(サーマル):
冷たい空気は下に、暖かい空気は上へ集まります。これは、流体(液体や気体)が、冷たいものの密度は高く重くなり、暖かいものの密度は低く軽くなるという性質をもつからです。屋外では、日照によって序々に地面が熱せられるにしたがい、地表近くの大気も暖められていきます。このとき、暖められた大気は上昇を開始し、熱上昇気流(サーマル)となります。サーマルの多くは、上部が膨らんだ丸い柱のような形をしています。上空に上がって冷やされた大気は、今度は外側に向かって下降を開始し、下降気流となります。このように、大気は常に対流しています。グライダーは、このサーマル内に入り込み、トンビのように旋回しながら、長い翼に上昇気流を受けて高度を獲得します。

斜面上昇風(リッジリフト):
山の斜面に風があたると、その斜面に沿って空気が持ち上げられます。これを斜面上昇風と言います。ハンググライダーは主にこの斜面上昇風を利用しています。グライダーが斜面上昇風を利用するには、風が尾根のどちら側から吹いているのかを見極め、山肌に近づいて飛ばなくてはなりません。安定した風が吹いている日は、旋回することなく、山の斜面に沿って飛び続けることが出来ます。

収束線(コンバージェンス):
山岳地帯に風が吹くと、山を迂回する風が現れ、迂回した風は平野へと流れてところどころで合流します。合流して収束した大気は逃げ場を上層へ求めて上昇気流となります。日本のように山と平野が混在する地形でよく見られます。

山岳波(ウエーブ):
強い風が山岳地帯にぶつかって、その風下で波動を起こすことがあります。これを山岳波と呼びます。上昇力を持つ気流の内部はとても静かで、グライダーは、揺れることなく非常にスムーズに高度を獲得することができます。しかし、山岳波の周辺には、ローターと呼ばれる乱気流も存在するので、注意が必要です。

グライダーは、このような自然の力を上手く利用して、より高く、より遠く、より長く飛ぶことができるのです。上昇気流をうまく捕らえられた場合、日中ずっと飛び続けることもできますが、逆にうまく利用できなかった場合は15分程度で地上に降りてきてしまいます。上昇気流を探して捕らえるのはなかなか難しく、ここにスカイスポーツとしてのグライダーの尽きせぬ魅力が存在します。グライダーは、自然と一体になり、自らの経験と技術で大空を駈けるダイナミックなスポーツなのです!

グライダーの愉しみ方は人によって様々です。
日本グライダークラブの会員は以下のように日々のフライトを満喫しています。

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